2002-2004年度 学力向上フロンティア事業研究紀要
       教科学習の見直しと評価の改善


8節 ドリル学習の工夫

▼ドリルタイムの見直し
 週2回(朝8時から8時15分)の算数・国語ドリルタイムを設定することで,基礎・基本の定着をめざした。しかし,各学年の創意工夫によって充実した内容のドリルが実践されているが,算数・国語が週1回のために,十分実りあるものになっていなかった。また,ドリルの時間だけで収まらず,1時間目に食い込み,他の時間で指導しなければならないときがあった。そこで,次のようにドリルタイムの見直しを図った。

 ○ 目的の明確化を図る。 ―各学年で統一―
  ・ 既習内容の習熟
  ・ 脳のトレーニング(集中力を高める等)
 ○ 継続化を図る。
  ・ ドリルタイムの時間帯の吟味
   −継続性を重視し,各学年,学級で時間を見いだす。
  ・ 内容の焦点化と自分の伸びの意識化
   −伸びを視覚化する(時間・達成数の伸びの記録,得点のグラフ化等)
 ○ 単純化を図る。
  ・ 内容の単純化
  ・ システムの単純化 

▼ドリルタイム計画書例
 







▼ドリルタイムの実際

(1) 既習事項の習熟を図る
〈1年算数〉 
 毎週木・金曜日の朝のドリルタイムには「視暗算」を取り入れ,継続的な指導を行っている。
内容は,1学期の既習事項(10までの数の合成・分解・大小・順序やたしざん・ひきざん)が中心である。下記のようなワークシートを各自ファイルに入れ,ペアで(答える⇔確かめる)1分ずつ行い,チェック表に記録を残し習熟を図っている。

〈6年算数〉
 計算を中心とした3分間チャレンジのプリントに挑戦し,かかった時間や正答数,自分の意欲や定着の不十分な点,伸びた点等を振り返りに記録する。算数の時間の始めや朝のドリルタイムを使って,できるだけ毎日行う。 
 プリントには,その単元や全単元の既習内容を中心に,定着の十分でない四則計算を取り入れている。また,月に一回程度100マス計算も取り入れることで,前月からの自分の計算力の伸びを確認できるようにしている。
 プリントはファイルに綴じ,積み上げていくことで,自分の伸びを確認させたり保護者に伝える材料にしたりしている

(2) 脳の活性化を図り意欲化を促進する
  算数                      国語
   (64ます・100ます計算)          (五色百人一首)
       
 3分間のチャレンジで,正答数と時間    20枚ずつの短歌を覚え,二人で
 ・反省を記録し,集中力を高める。     対戦し,記憶力と集中力を高める。