2005/04     2005年度の研究主題とその背景

▼ 2005年度の研究主題とその背景

 「よりよい生活への実践化をめざした指導方法の改善」
     −確かな知識に支えられた自信と,人への気づきを大切にして−

 本校では,教育目標達成のために「子どものよさを見つけ,生かす教育」を指針として,「確かな学力を培う授業づくり」と「豊かな人間性を培う心づくり」に視点をおいてきました。また,昨年度まで文部科学省の研究指定を受け,「学力向上フロンティア事業」「教育課程における評価基準,評価方法の工夫改善」の研究をすすめてまいりました。
 そこで,本年度は,昨年度までの研究を基盤とし,「実践」をキーワードとして,研究主題を上記のように設定しました。


○ よりよい生活への実践化とは
 本校でとらえる「よりよい生活」は,一人ひとりの子どもが現在の自分(人・もの・こと)を基準として,そこから少しでもよりよいものよりよい位置であることを指しています。それは,日常生活だけを指すのではなく,次のよりよい学習やよりよい活動,よりよい自分人をも含んでいます。
 また,「実践」とは,既習や経験を学習や生活場面等で主体的に活用することであり,「実践化」とは,学んだことを生かそうとしたり,学んだことを基に,自ら動き出したりかかわろうとしたりするなどの実践に向かう過程であるととらえました。
 「生きる力」の育成において,近年,児童のさまざまな体験の不足が挙げられることは,本校の児童においても同様です。学校教育の場において,生きる力の支えとなる確かな学力や豊かな人間性を培うには,学習で獲得した知識が学びの場だけで終始することなく,それを基として次の学習や生活場面で活用,すなわち実践する必要があります。実践によって,はじめて実感をもった理解となり,確実に身に付いていくものと考えます。
 このようなよりよい生活への実践化をめざして,授業づくり,心づくりにおける指導方法の改善に向けての研究をすすめてまいります。

○ 確かな知識に支えられた自信と人への気付きとは
 実践化に向かうためには,その基となるための力が必要であり,それが,生活や学習等の場面で生かすことができる確かな知識です。確かな知識を獲得することは,「できる」「分かる」「できそうだ」といった実践化への自信となっていくでしょう。
 そして,自分が学ぶ知識には,先人の考えた知恵,多くの人々の願いや想いが潜んでいること,実践することが他の人に役立っていると感じること,共に学ぶ仲間がいてこそ学びが広がり深まると分かること,このような人への気づきが,実践化への意欲の支えとなっていくものととらえました。


▼研究内容

1 食の指導の改善
 ○ 「食」に関する学修指導の改善
  ・ 「食に関する指導」の全体計画及び学年別年間指導計画等の再考
  ・ 学ぶ意欲を高め実践化に向かう単元構想と指導方法
  ・ 生活とのつながりを大切にした家庭との連携なかよし給食
 ○ 給食の時間の指導の改善
  ・ 「食べる」楽しさと大切さを実感させる指導方法
  ・ 他者を意識したマナー指導
  ・ 給食を通した家庭や地域との連携
 ○ 「食」を通した人間関係づくりの推進
  ・ 共に食する楽しさを味わわせる指導
  ・ 人への感謝の気持ちを高める指導

2 確かな学力の定着を図る授業の改善
 ○ 学習内容を確実に身に付けさせる指導方法の改善
  ・ 理解を深めるための言語表現や具体的操作・視覚化を取り入れた指導
  ・ 「単元セット」を活用した指導と評価
 ○ 教師の力量を高める研修の見直し
 ○ 個に応じた指導の充実と学び高め合う学習集団の構築

3 豊かな心を育てる指導の改善
 ○ 共感的な人間関係を築き共に支え合う仲間づくりを進める指導方法の開発
  ・ 人権・同和教育の授業研究
 ○ 自尊感情・役立ち意識を高める手だての工夫
  ・ 「自分をみつめて」(自己肯定度調査)の活用と「自分史」づくりを通した心づくり